韓国ウォンが余ったら|円に戻すと3.44%減る。先に決めるのは「替える額」です
帰国日の朝、財布にウォンが残っていることがあります。使い切るには多く、両替所に並ぶほどでもない額です。この記事は、その残った分をどう片づけるかだけでなく、そもそもいくら替えておけば残らなかったのかを、銀行が公示しているレートから逆算します。
2026年9月16日に、ハナ銀行の公示レートと空港レート、韓国銀行の貨幣交換限度を、公式ページで直接確認しました。数字はすべてその日のものです。
結論から
| 残った額 | どうするか | なぜ |
|---|---|---|
| 1万ウォン未満 | 空港で使い切る | 戻しても1,100円ほど。窓口を探す時間のほうが惜しいです |
| 1万〜5万ウォン | 市内で戻すか、次の渡韓まで持っておく | 空港で戻すと市内より28〜141円少なくなります |
| 5万ウォン以上 | 市内の窓口で戻す | 空港との差が広がります |
| 硬貨 | 韓国にいるうちに使い切る | 日本の両替サービスは紙幣中心です |
この記事がいちばん言いたいのは、その下にあります。どこで戻すかの差より、最初にいくら替えたかの差のほうが、はるかに大きく効きます。
下のツールに日数と行き先を入れると、現金がいるのはどこで、いくら替えれば足りるかが出ます。
1. 円に戻すと、いくら減るのか
まず数字です。ハナ銀行が公示している日本円(100円あたり)のレートは、2026年9月16日20時41分、第628回の公示で次のようになっていました。
| レート | Spread | |
|---|---|---|
| 現金を買うとき(ウォン→円) | 897.67ウォン | 1.75 |
| 現金を売るとき(円→ウォン) | 866.81ウォン | 1.75 |
日本から持ってきた100円を韓国でウォンに替えると866.81ウォン。それをそのまま円に戻すには897.67ウォンが必要です。つまり866.81ウォンは96.56円にしかなりません。往復で3.44%減るということです。
これは銀行が上乗せしている手数料(Spread)が、替えるときと戻すときの両方向に1.75%ずつかかるからです。片道だけなら1.75%、往復すると倍になります。
2. 空港は「戻す側」がとくに不利です
同じハナ銀行でも、空港の店舗は別のレートを公示しています。同じ日の20時12分の値です。
| レート | Spread | |
|---|---|---|
| 現金を買うとき(ウォン→円) | 921.00ウォン | 4.5 |
| 現金を売るとき(円→ウォン) | 820.00ウォン | 7.0 |
ここに、あまり知られていないことが一つあります。買うときのSpreadが4.5なのに対し、売るときは7.0です。 空港では、円をウォンにするより、ウォンを円に戻すほうが不利に設定されているということです。
ハナ銀行の空港レートのページには、理由がこう書かれています。
空港所在の営業店(両替所を含む)は年中無休(365日)で両替営業を行うなど、空港営業店だけの特殊性により、一般営業店とは異なるレートを適用しています
年中無休で24時間開けている窓口のぶんが、レートに乗っているという説明です。帰国日に空港でまとめて戻すのがいちばん損になりやすいのは、この構造が理由です。
往復でどうなるかを並べると、こうなります。
| 替えた場所 → 戻した場所 | 100円が | 戻すと | 減る割合 |
|---|---|---|---|
| 市内 → 市内 | 866.81ウォン | 96.56円 | 3.44% |
| 市内 → 空港 | 866.81ウォン | 94.12円 | 5.88% |
| 空港 → 空港 | 820.00ウォン | 89.03円 | 10.97% |
空港で替えて空港で戻すと、1割以上が消えます。
3. ただし「どこで戻すか」の差は、思ったより小さいです
ここで正直に書いておきたいことがあります。残った額が小さいと、市内と空港の差はたいした金額になりません。
| 残った額 | 市内で戻すと | 空港で戻すと | 差 |
|---|---|---|---|
| 10,000ウォン | 1,114円 | 1,086円 | 28円 |
| 30,000ウォン | 3,342円 | 3,257円 | 85円 |
| 50,000ウォン | 5,570円 | 5,429円 | 141円 |
| 100,000ウォン | 11,140円 | 10,858円 | 282円 |
1万ウォンなら28円です。市内で両替所を探して並ぶ手間を考えると、空港で済ませたほうが合理的な場合すらあります。
大きいのは、戻す場所ではありません。最初に多く替えてしまったこと自体です。 5万ウォンを余らせた時点で、往復3.44%にあたる195円ぶんの手数料は、戻す場所にかかわらず発生しています。だから次の章から、替える額の話に移ります。
4. カードなら1.60%です
韓国での支払い手段を別の記事で調べたとき、カードの海外事務手数料を各社の公式で確認しました。いちばん低いのはイオンカードとJCBカード(JCB発行)の1.60%です。楽天カードと三井住友カードが3.63%、PayPayとエポスカードが3.85%でした。
これを、現金の往復と並べてみます。
| 使う金額 | カード(1.60%) | 現金を替えて余らせ、戻した場合(3.44%) |
|---|---|---|
| 30,000ウォン(約3,400円) | 54円 | 117円 |
| 50,000ウォン(約5,667円) | 91円 | 195円 |
| 100,000ウォン(約11,335円) | 181円 | 390円 |
どの金額でも2.1倍です。 替えた分をきっちり使い切れば現金の手数料は片道1.75%で、カードの1.60%とほぼ並びます。差がつくのは余らせたときだけです。
つまり、「現金のほうが安い」も「カードのほうが安い」も、単独では正しくありません。使い切れる額だけ現金にして、残りはカードで払う——これが手数料の面ではいちばん無駄が出ません。
なお、ここで使ったのは銀行の公示レートです。明洞などの市内の両替所は銀行より条件がよいことが多いのですが、公示されたレートがないため、この記事では数字を出しません。
5. では、いくら替えればいいのか
韓国では、カードがほとんどの店で使えます。別の記事で各社の公式を確認しましたが、現金が今も必要なのは屋台と市場、それに交通カードへのチャージです。逆に言えば、それ以外は現金を用意しなくても困りません。
現金がいる場面の実際の金額は、こうなっています。
| 何に | 現地価格 |
|---|---|
| 地下鉄の初乗り(交通カード) | 1,550ウォン |
| 空港鉄道A'REX 一般列車(第1ターミナル→ソウル駅) | 4,750ウォン |
| 空港リムジンバス | 17,000ウォン |
| タクシー初乗り(1.6kmまで) | 4,800ウォン |
| 屋台のキンパ1本 | 約3,800ウォン |
| 低価格チェーンのアメリカーノ | 1,500〜2,000ウォン |
| 市内の地下鉄・バス(3日分) | 8,000〜13,000ウォン |
2泊3日で市内交通に8,000〜13,000ウォン、空港との往復に10,000〜36,000ウォン。ここに屋台や市場で使う分を足した額が、現金で必要になる範囲です。食事もカフェも買い物もカードで払えるので、そこまで現金を用意する必要はありません。
下のツールは、日数と空港からの移動手段、屋台や市場をどのくらい使うかを入れると、この表から必要な現金を積み上げます。余りそうな額と、それを戻したときに減る分も一緒に出します。
6. 硬貨だけは別の話です
紙幣と硬貨は、扱いがまったく違います。
韓国銀行の「発券業務遂行指針」第71条は、1人1日あたりの貨幣交換限度を定めています。500ウォン硬貨は50万ウォン、100ウォン硬貨は20万ウォン、50ウォン硬貨は1万ウォン、10ウォン硬貨は2千ウォンまでです。
ただし、この数字は旅行者にはほぼ関係がありません。 これは韓国銀行の本店(ソウル)に行った場合の限度で、旅行の途中で本店を訪ねる人はまずいませんし、旅行者が持ち帰る硬貨はせいぜい数千ウォンだからです。公式に限度が書かれているからといって、旅行者がその窓口を使えるという意味ではありません。
では滞在中にどこで硬貨を紙幣に替えられるのか。確認できませんでした。 韓国銀行の「貨幣交換場所案内」のページは損傷した紙幣・硬貨の交換場所についての案内で、通常の硬貨の交換窓口を示したものではありません。銀行や郵便局の窓口で扱っているという情報は見つかりましたが、公式の記載を確認できなかったので、この記事では場所を挙げません。
現実的な対処は一つです。硬貨は韓国にいるうちに使い切ってください。 コンビニの会計で、お札と一緒に小銭を出して端数を合わせるようにすると減っていきます。日本国内の外貨両替サービスは紙幣中心で、硬貨を買い取らない例が目立ちます。
7. それでも余ったとき
順番はこうなります。
1. 空港に着く前に、硬貨を使い切る。 コンビニでも免税店でも構いません
2. 紙幣が1万ウォン未満なら、そのまま使い切る。 戻しても1,100円ほどです
3. 紙幣がまとまっているなら、市内の窓口で戻す。 空港より条件がよくなります
4. 次の渡韓が決まっているなら、戻さず持っておく。 紙幣に有効期限はありません
4番については、韓国銀行が旧デザインの紙幣も無期限で使えるとしています。新しい紙幣しか認識しない券売機やATMでは使えないことがあるので、機械を使うつもりなら窓口で替えておくほうが確実です。
よくある質問
空港で戻すのは、いつでも損ですか
いいえ。残額が小さいときは、市内との差が28〜141円ほどにしかなりません。市内で両替所を探す時間を考えれば、空港で済ませるほうが合理的な場合もあります。損得が広がるのは5万ウォンを超えたあたりからです。
日本に持ち帰ってから戻すのと、韓国で戻すのはどちらがよいですか
紙幣なら、どちらでも大きくは変わりません。硬貨のほうは日本の両替サービスの多くが買い取っていないため、硬貨だけは韓国にいるうちに片づけてください。
替えすぎないために、いちばん確実な方法は何ですか
現金がいる場面を先に決めておくことです。韓国では交通カードへのチャージと、屋台・市場での支払い以外は、ほとんどカードで十分です。この記事のツールは、その積み上げを計算するために作りました。
まとめ
- ハナ銀行の公示レートで、円とウォンの往復は3.44%減ります(2026年9月16日)
- 空港は戻す側のSpreadが7.0で、買う側の4.5より不利に設定されています
- 空港で替えて空港で戻すと10.97%減ります
- ただしどこで戻すかの差は小さく、1万ウォンなら28円です
- 大きいのは最初に多く替えたこと自体で、5万ウォン余らせると195円ぶんの手数料が先に発生しています
- カードの海外事務手数料は最低1.60%。使い切れる分だけ現金にするのが、いちばん無駄が出ません
- 硬貨は韓国にいるうちに使い切る。 日本の両替サービスは紙幣中心です
レートは毎日動きます。この記事の数字は2026年9月16日に確認したものなので、出発前にその日のレートを見直してください。仕組みのほう——往復で2回手数料がかかること、空港は戻す側が不利なこと——は、その日のレートが変わっても同じです。