韓国のタックスリファンド|いくら戻るかの早見表と、仁川空港での手順
韓国で買い物をすると付加価値税が10%かかります。それが「まるごと戻ってくる」と書いてあるページを見かけますが、実際に手元へ戻るのはおおむね5〜8%です。手数料が引かれるからです。
しかも戻る割合は買った金額の区分で変わります。区分の下限ちょうどの金額なら、少額で6%台、数百万ウォンで8%台まで上がります。この記事ではいくら買えばいくら戻るのかを金額の表で示して、仁川空港での手続きの順番まで並べます。
結論から
| 内容 | |
|---|---|
| 対象になる金額 | 1回15,000ウォン以上 |
| 実際に戻る割合 | おおむね5〜8%(金額が大きいほど上がります。下の表の割合は各区分の下限の金額で計算しています) |
| その場で引いてもらえる上限 | 1回100万ウォン未満・滞在中の合計500万ウォン以下 |
| 持ち出しの期限 | 買った日から3か月以内 |
| 仁川空港の自動還付機 | 24時間使えます |
預ける荷物に入れる予定なら、荷物を預ける前に手続きしてください。順番を間違えると還付を受けられなくなるおそれがあります(後述)。
15,000ウォンから対象になります
対象になる下限は法令で決まっています。「外国人観光客等に対する付加価値税及び個別消費税特例規定」の施行規則第2条です。
令第3条第1項第5号にいう「財政経済部令が定める金額」とは1万5千ウォンをいう
(韓国語の原文を日本語に訳しています)
つまり1回の買い物が15,000ウォン未満だと、そもそも対象外です。レシートを分けてしまうと下限に届かないこともありますから、同じ店で買うならまとめて会計するほうが確実です。
たばこは対象外です。銃砲・刀剣・火薬類、文化遺産・自然遺産に指定された品、中毒性・習慣性のある医薬品、法令で取引が制限されている品、関税法で輸出入が禁止されている品も同じく対象になりません(特例規定と施行規則の条文。2026年10月5日に確認)。
いくら戻るのか
戻る金額は買った金額の区分ごとに決まります。主なところを並べます。
| 買った金額(ウォン) | 戻る金額(ウォン) | 実際の割合(区分の下限で計算) |
|---|---|---|
| 15,000 | 1,000 | 6.7% |
| 100,000 | 7,000 | 7.0% |
| 500,000 | 35,000 | 7.0% |
| 1,000,000 | 75,000 | 7.5% |
| 3,000,000 | 225,000 | 7.5% |
| 5,900,000 | 480,000 | 8.1% |
| 6,000,000以上 | 付加価値税の90% | — |
付加価値税そのものは販売価格の11分の1、およそ9.1%です。少額の区分ではそのうち7割ほどしか戻らず、600万ウォンを超えると9割が戻ります。だから金額が大きいほど割合が上がります。
表の割合は、各区分の下限ちょうどの金額で計算した値です。区分の上限に近い金額では割合が下がります。たとえば29,999ウォンの買い物でも戻るのは1,000ウォンで、割合は約3.3%です。
「10%戻る」と覚えていると、受け取ったときに少なく感じます。はじめから5〜8%ほどだと思っておくと、金額の見積もりが狂いません。
この表はグローバル・タックスフリー社の還付率表によるものです。法令によれば、還付窓口の運営事業者は韓国の国税庁から承認を受けた額を差し引けます。つまり事業者によって金額が変わります。仁川空港は第1ターミナルが韓国情報通信、第2ターミナルがナイス情報通信の運営です。
還付額の計算ツール
買った金額を入れると、戻る金額と実際の割合が表示されます。
買った金額を入れると、戻る金額と実際の割合が表示されます。
1回の会計ごとの金額です。レシートを分けると下限に届かないことがあります。
下限の15,000ウォンは「外国人観光客等に対する付加価値税及び個別消費税特例規定」施行規則第2条、即時還付の上限(1回100万ウォン未満・合計500万ウォン以下)は同規定第6条第2項によります。合計500万ウォンは入国後の積み上げなので、このツールでは判定していません——何度も買う予定の方はご自身で足してください。買った日から3か月以内に持ち出すことも条件です。
受け取り方は主に3つあります
| 方法 | どこで | 特徴 |
|---|---|---|
| 即時還付 | 買った店のレジ | 税額を引いた値段で買えます。還付の申請は要りません(買った日から3か月以内に持ち出す条件は同じです) |
| 市内還付 | 市内の還付カウンター | 出国前に受け取れます。1枚のレシートが600万ウォン以下の場合に使えます。現金で受け取るときはクレジットカードを保証として提示し、出国時には空港の税関で確認を受ける必要があります |
| 空港還付 | 仁川空港などの出国場 | 出国のときに受け取ります。出発当日は時間に余裕をみてください |
このほか、空港の窓口が閉まっているときは、レシートに必要事項を書いて回収箱に入れると、1〜2か月後に海外発行のクレジットカードなどへ送金される方法もあるとされています(韓国観光公社の案内)。
いちばん楽なのは即時還付です。レジで引いてもらえるので、空港の還付窓口で受け取る手間が省けます。
即時還付には上限があります
特例規定第6条第2項が、こう定めています。
1. 税額相当額を含む1回の取引額が100万ウォン未満であること
2. 入国後に即時還付を受けた税額相当額を含む総取引額が500万ウォン以下であること
(韓国語の原文を日本語に訳しています)
1回100万ウォン以上の買い物は、その場では引いてもらえません。空港または市内の還付カウンター(1枚のレシートが600万ウォン以下の場合)で受け取る形になります。滞在中の合計が500万ウォンを超えた分も同じです。
古い金額を載せているページが残っていることがあります。特例規定は2023年12月26日に改正されているので、最新の条文や公式の案内で確かめてください。
仁川空港での手順
カウンターと自動還付機の場所
| 第1ターミナル | 第2ターミナル | |
|---|---|---|
| 免税エリアのカウンター | 3階 28番ゲート付近 | 3階 250番ゲート向かい・253番ゲート付近 |
| そのほか | — | 一般エリアの G・Fカウンター |
| カウンターの時間 | 7:00〜22:00 | 7:00〜21:30 |
| 自動還付機(KIOSK) | 24時間(搭乗棟3階の中央薬局の隣にもあります) | 24時間 |
早朝や深夜の便でも自動還付機は動いています。カウンターが閉まる時間帯に出発する方は、こちらを使ってください。
手荷物に入れる場合
1. 自動還付機で手続きします
2. 画面に案内が出たら税関のデスクへ行きます
3. パスポート、未開封の品物、販売確認書を見せます
開けてしまうと確認を受けられない場合があります。空港に着くまで包装のままにしておいてください。
🔴 預ける荷物に入れる場合
こちらは順番が決まっています。間違えると還付を受けられなくなるおそれがあります。
1. チェックインのとき、航空会社に「還付を受ける品物が入っている」と伝えます
2. 税関のタグを受け取ります
3. 自動還付機で手続きします
4. 必要なら税関のデスクへ行きます
5. そのあとで荷物をベルトコンベアに載せます
案内の順序は窓口によって少し違いますが、共通するルールは、荷物を預ける前に税関の確認を受けることです。先に預けてしまうと中身を確認できず、手続きを進められないおそれがあります。荷物を預ける列へ並ぶ前に、還付の品物が入っていないか思い出してください。
市内の免税店で買った場合
市内の免税店で買った品物は、その場では渡されません。出国する空港の受取所(引渡場)で受け取ります。
受取所の場所や必要な書類(搭乗券・パスポート・購入時の引換証など)は、購入した免税店の案内で確認してください。手荷物の取り出しやすい場所に入れておくと安心です。
忘れてしまったときはどうなるか
検索すると、ここで書かれていることが食い違っています。「搬出確認のスタンプがあれば帰国後でも申請できる」と書くページもあれば、「原則として出国後の後日申請はできない」と書くページもあります。
どちらも正しくて、違う場面の話をしています。「忘れた」に三つの種類があるためです。根拠は「外国人観光客等に対する付加価値税及び個別消費税特例規定」(大統領令・2026年1月2日施行)で、2026年9月16日に条文を確認しました。
① パスポートを持たずに買った
この場合、その場で手続きが始まりません。第8条第1項に、こうあります。
免税販売者が外国人観光客に免税物品を販売するときは、パスポート等によって当該物品を購入する者の身分を確認した後、…外国人観光客物品販売確認書2部と返送用封筒を交付しなければならない。
即時還付についても第8条第4項が「パスポートを確認し、…即時還付電子販売確認書を出国港管轄税関長に伝送しなければならない」としています。
確認は「売るとき」に行われます。あとからレシートだけを持っていっても、販売確認書は出ません。買う前にパスポートを用意してください。
② 税関の搬出確認を受けずに出国した
第9条第1項が、はっきり時点を定めています。
…出国するときに出国港管轄税関長に物品販売確認書または物品販売手記確認書1部とともに購入物品を提示し、確認を受けなければならない。
「出国するときに」です。空港を出てしまうと、この確認を受ける機会がありません。確認印のない販売確認書では、次の③の条件を満たせません。
③ 税関の確認は受けたが、還付を受け取らずに帰った
ここだけ事情が違います。第10条の2第1項は、こうなっています。
還付窓口運営事業者は、出国港管轄税関長が確認した販売確認書の提出を受けたときは、遅滞なく…当該外国人観光客に還付または送金しなければならない。
「提出を受けたとき」としか書かれていません。いつまでに、という期限が条文にありません。①②と違って、期限を限定する文言がないわけです。
ただし「必ず受け取れる」とは書けません。条文が定めているのは事業者の義務であって、旅行者が帰国後に申請する手順ではありません。実際に受け取れるかどうかは、還付窓口運営事業者ごとの手続き次第で、そこまでは確認できませんでした。確認印のある販売確認書が手元にあるなら、購入した店か還付事業者に問い合わせる価値はあります。
まとめると、こうなります。
| 忘れたもの | どうなるか |
|---|---|
| パスポート(買うとき) | 手続きが始まりません。販売確認書が出ません |
| 税関の搬出確認(出国のとき) | やり直せません。条文が「出国するときに」と定めています |
| 還付の受け取り(確認印はある) | 条文に期限の定めがありません。事業者に問い合わせてみてください |
書類がなくても通ることがあります
第9条第2項に、こういう定めがあります。
…出国港管轄税関長は、免税販売者または還付窓口運営事業者から電子販売確認書または即時還付電子販売確認書を伝送された場合には、外国人観光客に物品販売確認書または物品販売手記確認書の提示を省略させることができる。
店が電子で送っていれば、紙を持っていなくても通ることがあります。ただし同じ項の但し書きに「伝送された内容に誤りがあるか、事実確認が必要と判断される場合には、…領収書等の提示を要求することができる」とあるので、レシートは捨てないでおいてください。
開けてしまった場合
第9条第4項に、税関がどこまで見るかが書かれています。
出国港管轄税関長は、…確認印を捺印する場合、外国人観光客が提示した免税物品と…販売確認書の記載事項が一致するかどうかを…選別して検査することができる。
条文に「未開封」という言葉はありません。ただし物品を提示して、記載と一致するか確かめられる状態である必要があります。仁川空港の案内も、税関のデスクでは「パスポート、未開封の品物、販売確認書」を見せるとしています。開けてしまうと確認を受けられないことがあります。
覚えておきたい期限
買った日から3か月以内に韓国から持ち出すことが条件です。旅行で買ってそのまま帰るなら問題になりませんが、荷物を別送する場合は日数を数えておいてください。
滞在が長い方には条件がもうひとつあります。対象になるのは、韓国に住んでいない外国人観光客です。韓国に6か月以上滞在している人や、韓国で営業活動に従事している外国人は居住者とみなされ、対象外になります。
まとめ
| いくらから | 15,000ウォン以上。それ未満は対象外です |
| いくら戻る | おおむね5〜8%。「10%」ではありません |
| いちばん楽な方法 | 即時還付(1回100万ウォン未満・合計500万ウォン以下) |
| 空港で | 自動還付機は24時間。カウンターはT1が7:00〜22:00、T2が7:00〜21:30 |
| いちばんの注意 | 預ける荷物に入れるなら、預ける前に手続きする |
還付は「もらえたら得」ではなく、条件と手順を守れば受け取れるお金です。買う前に金額の目安を把握して、空港では順番どおりに動いてください。