韓国でカード払い、ウォンと円どちらを選ぶか|「ドル」で請求されることもあります
韓国のレジで「ウォンで払いますか、円で払いますか」と聞かれることがあります。答えは現地通貨、つまりウォンです。ここまでは、どのカード会社の案内にも書かれています。
ただ、韓国にはその二択で終わらない場所があります。JCBは公式ページに韓国だけの項目を設けて、ホテルや免税店では米ドルで請求されることがあると書いています。選択肢が三つになります。
2026年9月16日に、JCB・三井住友カード・エポスカード・イオンカード・楽天カードの各公式ページと、韓国の「保税販売場の特許および運営に関する告示」の原文で確認した内容です。
結論から
| ウォン建て | 円建て(DCC) | ドル建て | |
|---|---|---|---|
| 円に換算するのは | カード会社 | お店 | カード会社 |
| レートを決めるのは | 国際ブランド | お店 | 国際ブランド |
| レートを前もって分かるか | ブランドの公式サイトで調べられます | カード会社も「案内できかねます」 | ブランドの公式サイトで調べられます |
| どこで出会うか | ほとんどのお店 | レジ端末の選択画面 | ホテル・免税店 |
基本はウォンです。 円建てを選ぶと、その場で日本円の金額が確定する代わりに、換算するのがカード会社ではなくお店になります。
下のツールに、支払う金額とお使いのカードを入れてみてください。
売上票の金額と、お使いのカードを入れてください。
為替レートは Frankfurter API(欧州中央銀行の参照レート)を使っています。国際ブランドの基準レートとは別のものなので、金額はあくまで目安です。
1. 「円で払いますか」と聞かれたら
三井住友カードの公式ページに、この場面がそのまま書かれています。
日本円を指定した場合、その場で支払金額を確定できるメリットがありますが、お店が決定した為替レートで日本円に換算されることから、弊社で日本円に換算する場合に比べて割高になる可能性がありますのでご注意ください。
「お店が決定した為替レート」 という部分が要点です。同じページには、こうも書かれています。
お店が独自で提供しているサービスのため、利用できるお店や為替レートなどにつきましては、弊社でご案内できかねます。
カード会社にも、そのレートが分かりません。 ウォン建てなら国際ブランドのレートなので、Visaにも Mastercard にも公式の計算ツールがあって、買う前に自分で調べられます。円建てにはそれがありません。
断り方は、同じページに一行だけ書かれています。
日本円での請求を希望しない場合は、その場でお店へ申し入れを行ってください。
何と言えばいいかは、5番に書きました。
2. 韓国では「ドル」で請求されることがあります
ここからが、韓国だけの話です。JCBの「海外でのカード利用上のご注意」には、韓国という国名を出した項目があります。
韓国でのカードご利用時には、通貨がUSD(USドル)でのご請求になることがあります。とくに、ホテルや免税店などでは、売上票にKRW(韓国ウォン)とUSD(USドル)の金額があわせて記載されている場合があります。
そして、どちらで請求されるかは店ごとに違うと続きます。
どちらの通貨で請求されるかは、店ごとに設定が異なりますので、サインをする前に店舗にてご確認ください。
ウォンかドルかは、レジで選ばせてもらえるとはかぎりません。お店の端末の設定で決まっていて、売上票に二つの金額が並んでいるだけ、ということが起こります。
もうひとつ、同じページにこう書かれています。
海外で売上票に記入される金額は、現地通貨またはJCBが設定する通貨となり、加盟店が提示する日本円ではありません。
商品の保証書や明細書に日本円の金額が書かれていた場合でも、売上票の現地通貨が優先されます。
値札やレシートの日本円ではなく、売上票に印字された通貨と金額が請求のもとになります。サインをする前に見るのは、そこです。
3. 手数料は、カード会社によって2.4倍ちがいます
ウォン建てを選んでも、請求額はブランドのレートそのままではありません。カード会社が「海外事務手数料」を上乗せします。この率が、会社によってかなり違います。
| カード | 事務手数料 | いつから |
|---|---|---|
| イオンカード | 1.60% | — |
| JCBカード(JCBグループ発行) | 1.6% | — |
| 三井住友カード(銀聯) | 2.50% | 2024年11月1日 |
| 三井住友カード(Visa・Mastercard) | 3.63% | 2024年11月1日 |
| 楽天カード(全ブランド) | 3.63% | 2025年3月 |
| エポスカード | 3.85% | 2025年7月1日 |
1.60%と3.85%で、2.4倍の開きがあります。10万ウォンの買い物なら、この差は百数十円です。旅行中に何度も使えば、それなりの金額になります。
同じJCBマークでも、発行会社で違います。JCBは1.6%と書いたうえで、その適用範囲をこう限定しています。
JCBグループのカード発行会社で発行しているクレジットカードは、上の換算レートが適用されます。
換算レートについては、所属されるカード発行会社へお問い合わせください。
楽天カードの公式ページを見ると、JCBブランドも3.63%です。マークは同じでも、2.27倍の差がついています。お手元のカードがどちらなのかは、発行会社のページで確かめてください。
4. その手数料は、この2年で上がりました
上の表の「いつから」の列を見ると、改定が2024年11月から2025年7月に集まっています。
- 楽天カード:2.20% → 3.63%(2025年3月)
- エポスカード:2.20% → 3.85%(2025年7月1日)
エポスカードの案内には、計算例まで載っています。
例:外貨でのショッピングで100ドル(為替150円換算15,000円)をご利用いただいた場合…改定前:15,000円×2.20%→15,330円(税込)/改定後:15,000円×3.85%→15,577円(税込)
「海外事務手数料は2.20%」と書いてある記事は、今は古い数字です。旅行の前に、お使いのカードの公式ページで今の率を見ておくほうが確実です。
5. レジで何と言えばいいか
カード会社の案内は「お店へ申し入れてください」で終わっていて、何と言うかまでは書かれていません。韓国語では、次の一言で通じます。
| 伝えたいこと | 韓国語 | 読み方 |
|---|---|---|
| ウォンでお願いします | 원화로 해주세요 | ウォナロ ヘジュセヨ |
| 日本円ではなく、ウォンで | 엔화 말고 원화로요 | エヌァ マルゴ ウォヌァロヨ |
端末の画面には「원화 결제」(ウォン建て決済)と「엔화 결제」(円建て決済)のように出ます。「원화」がウォンです。この二文字だけ覚えておけば足ります。
サインや暗証番号の前なら、押し直してもらえます。済んでしまった場合は、三井住友カードの案内にこう書かれています。
希望した通貨とご利用代金明細書に記載の通貨が異なる場合には、弊社までご連絡ください。
6. 免税店は、話が別です
ここは、日本側の案内だけを読んでいると分からない部分です。
韓国の免税店(保税販売場)は、通貨を換えるときのレートが法令で決まっています。「保税販売場の特許および運営に関する告示」の第27条第4項に、こうあります。
運営人が表示された通貨以外の通貨で物品を販売するときは、次の各号の事項を遵守しなければならない。
1. 当該物品を販売する日の前日(最終告示した日をいう)の「外国為替取引法」による基準為替レートまたは裁定為替レートを適用
3. 当日適用する為替レートを正門入口または購入者がよく見える場所に掲示
さらに第41条には、こう書かれています。
販売代金は、ウォンまたは外貨で受け取ることができ、外貨で受け取ったときは、為替レートの計算において端数は顧客に有利になるよう切り捨て…
「お店が決めたレート」とは、性質が反対です。
| 韓国の免税店 | ふつうのお店のDCC | |
|---|---|---|
| レートを決めるのは | 法令(前日の基準レート) | お店 |
| レートの公開 | 掲示が義務 | 決まりはありません |
| 端数の処理 | 顧客に有利に切り捨て | 決まりはありません |
免税店でドル表示を見て身構える必要はありません。適用されているレートは、店頭に掲示されているはずのものです。
ただし、これはお店の販売レートの話です。カードの売上票がウォンで切られるかドルで切られるかは、この告示が決めることではなく、JCBが書いたとおり「店ごとの設定」です。掲示されたレートと、カードの請求は別の段階です。
7. 引き落とし額が、買った日のレートと合わない理由
明細を見て「あの日のレートと違う」と感じることがあります。換算されるのは、買った日ではないためです。
| カード会社 | 換算日 |
|---|---|
| 三井住友カード | 売上データが決済センターに到着した日(利用日から2~4日後が目安) |
| JCB | JCBが海外の加盟店に支払い処理を行った日 |
| イオンカード | 決済センターで事務処理が行われた時点 |
イオンカードの案内は、はっきりこう書いています。
実際にカードを利用されたお日にちのレートではありません。
数日のあいだに相場が動けば、その分だけ請求額が変わります。円建てを選ぶと、この数日のぶれがなくなります。その場で金額が決まるのが、円建ての唯一のメリットです。レートの上乗せと引き換えにそれを買うかどうか、という選び方になります。
8. 確かめられなかったこと
- 円建て(DCC)を選んだとき、カード会社の海外事務手数料が別にかかるのか。各社の原文が共通して書いているのは「外貨での利用代金を円に換算するときに加算する」までで、円建てを選んだ場合をはっきり書いた公式の記述は見つかりませんでした。
- 円建てのレートが、実際に何%上乗せなのか。三井住友カードが「弊社でご案内できかねます」と書いているとおり、公表されていません。数字を書ける根拠がないため、書きませんでした。
- 韓国のどれくらいのお店で、円建ての選択画面が出るのか。統計が見つかりませんでした。
- ホテル・免税店以外でドル請求になる場所。JCBは「ホテルや免税店など」と例を挙げているだけで、範囲を特定していません。
情報は2026年9月16日に各公式ページで確認しました。手数料の率は改定されることがあります。とくに2024年から2025年にかけて各社が引き上げているので、出発前にお使いのカードの公式ページで確かめてください。