韓国のトイレ事情、いまはこうなっている|紙は流せる? 探し方とカフェの暗証番号
韓国旅行の準備でよく調べられているのが「トイレットペーパーは流していいのか」です。結論から言うと、今の韓国では流せる場所のほうが圧倒的に多くなりました。ただ、見分け方を知らないまま個室に入ると、そこで迷うことになります。
紙は流す。目印は「個室にゴミ箱があるかどうか」
2018年1月1日から、「公衆トイレ等に関する法律」の施行令で、大便器の個室内にゴミ箱を置かないことが定められました。悪臭と害虫を抑えるのが目的で、それ以降に整備されたトイレは紙をそのまま流す前提で作られています。地下鉄の駅、デパート、新しいビル、チェーンのカフェなら、まず流して構いません。
個室に入って大きなゴミ箱が見当たらなければ、それが「流していい」という合図です。女性用の個室に小さな箱が置いてあることがありますが、これは生理用品の回収箱で、紙を入れるものではありません。障害者・高齢者・妊産婦用の便器がある個室や、おむつ交換台が付いた個室は、例外としてゴミ箱を置けることになっています。
残っているのは古い建物のほうです。伝統市場の中、路地裏の古い食堂、築年数の経った雑居ビルでは配管が細く、今も「紙は流さないでください」の貼り紙とゴミ箱が並んでいます。ハングルが読めなくても、個室の壁に紙が貼られていてゴミ箱が置いてあれば、それは流すなという意味だと考えて間違いありません。
駅のトイレは改札の外にあることが多い
日本の駅の感覚で改札を通ってから探すと、見つからないことがあります。ソウル市が管理する地下鉄1〜9号線313駅のうち、改札の外にトイレがある駅が82%(256駅)を占めるためです。
これを前提にして作られた制度が「再乗車」です。降りた駅の同じ路線で15分以内に改札を入り直せば、基本運賃が免除されます。チャージ式・後払い式の交通カード利用時のみで、1回の乗車につき1度だけ。ソウル交通公社の路線では2023年から運用されていて、韓国鉄道公社(コレール)が運行する首都圏の広域鉄道でも2026年6月20日から始まりました。1回用の切符は対象外なので、この恩恵を受けられるのはT-moneyなどの交通カードを使っている人だけです。
コンビニは当てにしない。頼りになるのはデパートと地下街
韓国のコンビニには、基本的に客用のトイレがありません。店舗面積が小さく、雑居ビルの一階に間借りしている形が多いためで、日本の感覚で駆け込むと空振りします。
頼りになるのはデパート、大型スーパー、複合ショッピングモール、地下街あたり。買い物をしていなくても使えますし、清掃も行き届いています。行政安全部の集計では、2025年12月末時点で全国の公共トイレは61,825か所。内訳は公衆トイレが37,348か所、民間や公共機関の建物のトイレを一般に開放した「開放トイレ(개방화장실)」が21,639か所などとなっています。開放トイレは入口に自治体の表示が出ているので、これが目印。
カフェのトイレには暗証番号がかかっている
ビルの共用トイレやカフェのトイレは、ドアロックに暗証番号が設定されていることが珍しくありません。番号はレシートの下に印字されていたり、セルフ注文機の画面に表示されたり、レジで聞けば教えてもらえたりします。注文は済ませたのに番号を知らずにドアの前で立ち往生する、というのはよく見かける光景です。
繁華街では管理の負担が重いこともあって、注文せずトイレだけ使う場合に料金を取る店も出てきました。ソウルの一部のカフェで2,000ウォンと掲示された例が2026年に報じられています。まだ珍しい部類ですが、「店の客なら使える」が前提になりつつあるのは確かです。
設備の中身は日本と違う
温水洗浄便座は、韓国の家庭ではかなり使われています。公衆トイレとなると話は別で、デパートやホテルの一部に限られると思っておいたほうがいいでしょう。
紙も、個室の中に備え付けられている所が増えた一方で、入口に大きなロールがひとつ置かれていて、そこから必要な分を取ってから個室に入る方式が残っています。入る前に一度確認する癖をつけるか、ポケットティッシュを一つ持ち歩けば済む話です。
男女共用のトイレにも出くわします。延べ面積2,000㎡以上のオフィスビルや店舗の入る建物に男女分離を義務づける方針は2017年に示されましたが、既存の建物には遡及されず、大規模な改修や増築のときに適用される仕組みです。古い雑居ビルの階段の踊り場にあるトイレが共用のままなのは、そのためです。
探すなら地図アプリ、聞くならこの一言
ネイバー地図かカカオマップで「화장실」と入力すると、周辺の公衆トイレと開放トイレが出てきます。ソウル市が運営する「スマートソウルマップ」にも、都市生活地図の中に公衆トイレの項目があります。
人に聞いたほうが早い場面なら「화장실 어디예요?(ファジャンシル オディエヨ)」。この一言で、たいていは指をさして教えてくれます。